2018年03月21日

最強のお金運用術 富裕層だけが知っている 1%の金利の魔法/加谷 珪一

 著者は億単位の資産を運用する個人投資家。お金の運用について大変勉強になるので,好んで読んでいる。本書で私が参考になった点は,次の通りである。
・お金があるにもかかわらずローンを組んだということは,この人の中には,ローンを組むという行為は時間を買うことと同じだという明確な認識が存在している。その点において,お金がないから借りる人とは考え方が180度違っている。
・金利が高いということは,今後,物価が上がると多くの人が予想していることを意味している。物価が上がっている時は好景気であることも多いので,景気が拡大すると予想していると解釈することもできるだろう。
・とにかく7%で10年間,もしくは10%で7年間運用すると2倍になると覚えておけばよい。これに加えて5%の場合には14年間で2倍と暗記しておけばよい。
・来年受け取る100万円は,今の価値に換算するともっと金額が少なくなる。5%の金利ということを考えると,現時点で持つお金を5%で運用すると来年に100万円になるという意味なので,計算すると95.2万円というのが,来年受け取る100万円の現時点での価値である。
・楽天創業者の三木谷浩史氏も,創業当初,事業の支出は自身のコンサルティング業で埋め合わせ,銀行には頼らなかったと言われる。三木谷氏は元銀行マンなので,お金のルールをよく知っていたに違いない。
・GDPについて「1年間に日本国内で生産された最終的な財・サービスの付加価値の総額」と記載されている。
・金利が変わらないうちは,政府支出の増加はそのままGDPの増加要因だったが,金利が上昇すると,民間投資が減ることでGDPも減ってしまう。この結果,公共事業で投資を増やした分がそのままGDPに反映されず,効果が薄れてしまうことになる。これを経済学の用語では
クラウディング・アウトと呼ぶ。
・日本は相対的な経済規模が縮小しており,年々,諸外国の影響を受けやすい体質に変わっている。このため,日本では,閉じた経済圏を前提にしたモデルは適用できないケースが増えてくることに注意しなければならない。
・金利が上昇するということは,物価が上昇すると皆が予想しているということであり,利回りを確保するため債券価格は下落する。つまりインフレである。一方,金利が低下するということは,物価が下がると皆が予想しているということであり,債券価格は逆に上昇する。これはデフレということになる。
・公定歩合とは日銀が金融機関に対して貸し出しを行う際の基準となる金利のことである。
・景気が活発になると,インフレ期待が高まってくる。モノの値段が上がるということは,株式や不動産などに投資した方が得ということを意味している。現金として寝かせておくのではなく,お金をモノに替えたほうが有利である。逆に言えば,現金を持っていることはインフレ下では不利になってしまう。すると多くの人は貯蓄を取り崩し,投資に邁進するようになるだろう。そうなると,これまで眠っていた銀行預金が動き出すことになる。銀行は十分な資金を確保しにくくなるので,金利を上げて預金を確保しようとする,その結果,金利が上昇するという現象が発生するのだ。
・景気が拡大する局面では,株価も上昇しているが,金利も徐々に上がっていくことになる。金利がゆっくり上昇しているうちは,順調なインフレ期待なので問題ないが,金利の上昇スピードが速くなってくると,市場が景気の過熱を心配しているサインかもしれない。最終的にはどこかのタイミングで株価が下落を開始し,その後を追うようにして金利も下がっていく。
・本来であれば,金利が低下すれば,企業は銀行からお金を借りやすくなり,設備投資が拡大するはずだ。しかし,経済の見通しがあまりにも暗いと,企業はいくら金利が安くても,リスクを摂って設備投資を行うことには慎重にならざるを得ない。
・リーマン・ショック後は米国が3度にわたる量的緩和(QE1〜QE3)を実施し,市場にはインフレ期待が発生。実際に物価も順調に上がっていた。これに対して日本ではデフレが続いており,物価は下落が続いていた。このため米国の実質的な金利は低めに,日本の実質金利は高めに推移し,その結果,為替は円高に振れた。急激な円高をめぐっては,米国経済が危機的状況になったので,安全資産として円が買われている,といった解釈が目立ったが,こうした理解はあまり現状を的確に把握していたとは言い難い。
・日本が量的緩和策を模索し始めると為替は急激に反転し,量的緩和策がスタートした2013年からは一気に円安が進んだ。
・プロの投資家は常に金利の動向と株価の動向をセットで考えている。
・株価が割高なのか,割安なのかを判断する指標にPERと呼ばれるものがある。これは,現在の株価が,現時点での利益の何倍になっているのかを示している。例えば,ユニクロを展開するファーストリテイリングのPERは一時期80倍と高い数字だったのに対して,トヨタ自動車のPERは13倍程度と低い。
・PERとは,今後の成長期待ということでもある。
・昭和の時代までは,労働者として働いた方が,資本家として資産を運用するよりも有利であり,逆に平成の時代以降は,資本家の方が有利になってきている。
・日本政府は1000兆円を超える借金を抱えており,世間では財政が破たんする懸念が議論されているが,日本が今の状態で破たんする可能性はゼロと言ってよい。だが,日本人が憂慮すべきなのは,財政破たんといった極端なケースではなく,金利の上昇リスクである。

 以上である。本書を読んで,学んだのは株価だけでなく,金利についても見ていかなければならないということである。さらに,物価についても考慮して,実質金利を考える必要もある。実質金利が高くなると,その国の通貨が買われることになる。つまり,円高になるということは,日本の実質金利が上昇しているということを意味する。例えば,金利が一定であっても,デフレであれば,実質金利は上昇しているということになる。そのようなことを理解して,お金の流れを考えなければ,本質的理解には辿り着けない。また,金利上昇は,インフレ期待の表れと判断することもでできる。そして,それは景気拡大を意味する。金利が上昇すると,民間投資が減ることになるので,景気が後退しGDPが下がる要因になる。経済は,それらのバランスを取りながら,拡大したり縮小したりする。なかなか難しい話ではあるが,しくみは理解できる。だから,株価だけなく,金利についても今後は意識していきたい。また,企業の株価については,PERに注意していきたい。PERとは,今後の成長期待ということだ。しっかり頭に入れておきたい。
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2018年03月19日

トップ1%に上り詰める人の頭の中身 必ず結果につながる「思考の習慣」/島原隆志

 タイトルに惹かれて購入。著者は株式会社インバスケット研究所代表取締役。私が参考になった点は,次の通りである。
・習慣の驚くべき点は,その習慣を取っている方はそれを「あたりまえの行動」として,疑問を抱かないところです。
・問題は目の前で起きている事柄であり,課題はその問題の背景にある中長期的なテーマです。わかりやすく説明すると,例えば業績が悪化しているというのは問題で,課題は,業績が悪化している真の原因をさします。例えば「ブランド力の低下」だとか「戦略の不明確さ」など,すぐには解決できないテーマがあげられます。
・いろいろな研修を受けてきましたが,答えを求めているわけではありません。自分の中の選択肢を広げているつもりなのです。
・2時間かけて頑張ったその労力がもったいないからといって,さらに2時間かけても結果が伴わなければ無駄が多くなる一方です。これらの「さらに頑張っても戻ってこないコスト」を埋没コストと呼びます。
・新商品に敏感になることは,世間の流れや風潮を知る絶好のきっかけになる上,自分の発想の幅を広げます。なぜなら新商品に興味を示すということは,今までの自分自身のパターンを打ち破る一番身近な方法だからです。
・「大げさにいうと創造力は生き残る力だよ。状況を察知して,それに合わせた変化をしていく力なんだよ。
・他人の意見を元に進んできた結果,成功した人よりも,自分の思ったことを貫き,たとえそれが失敗であっても,自分の信じることを実行した人が本当の成功者だと,私は思います。
・ルールを状況によって破る決断のできる方は,ルールが何のためにあって,それはあくまで基準であると知っています。ですから,周りからの反発があったとしてもルールを変える必要性を訴え,時にはルールを破る決断をするのです。
・外部環境といっても,その範囲は広く,すべてを把握するのは難しいですよね。そのようなときに「PEST」を意識するといいでしょう。
※マクロ環境分析(Politics,Economy,Society,Technology)。
・決定的な違いはプロは自分のことを「プロ」だと思っていること。つまり意識です。
・成功する近道は挑戦の回数を増やすことです。
・確実に成功を収める一度の挑戦を狙うより,だれもが挑戦しない未知の領域に乗り出す挑戦の回数が多いほうが間違いなく成功を収めます。

 以上である。著者の述べている内容は,非常に納得できる。多くの大人が,「現状維持バイアス」に囚われており,自ら築き上げたものを守るのに必死である。そのため,歳を重ねるごとにそれらを破壊することを恐れる。あるいは,面倒臭がる。多くの企業がこのような鬱血した状態に悩まされている。変化を恐れ,一定の給料さえ頂けていれば満足という発想は,会社にぶら下がった何の価値もない人間の発想である。会社に勤めていようが,個人経営者だろうが,物事の本質は同じである。時代の流れを敏感に感じ取り,新しい挑戦を何度も繰り返すこと。失敗を恐れず,何度も挑戦することである。それが,その人の経験となり,その人を成長させる。失敗して叱られたり,嫌な思いをすることがあっても,その失敗から何かを学ぶことができれば,その失敗は価値のある失敗だったと言える。人は何歳になっても成長できる。果敢に挑戦する精神さえ忘れなければ。
posted by J-HASE at 23:35| Comment(0) | 自己啓発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月18日

「時間の使い方」を科学する/一川 誠

 著者は千葉大学文学部教授。自分自身,時間の使い方をもっと上手にしたいという思いから本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・大きな画像を見ながら過ごす時間や大きな音を聞きながら過ごす時間は,小さな画像を見ながら過ごす時間や静かな空間で過ごす時間より長く感じられます。
・代謝は加齢によっても変動します。一般的に子どもの頃は体の代謝も激しく,それを反映して,体温も高めです。ところが年をとると,だんだんと代謝は低下し,それと対応して体温も下がってきます。こうしたことから,同じ長さの時間であっても,子どもよりも高齢者のほうが短く感じやすいのです。
・代謝が低い朝方は,心的時間のペースよりも物理的時間の進み方が相対的に速くなるので,時間があっという間に過ぎるように感じます。他方,夕方に向けて代謝が激しい時間帯になると,心的時計のペースも速くなるので,時間がゆったり流れるように感じやすいのです。
・遅い時間帯の食事が,休むべき時間に膵臓を酷使してインシュリンの分泌を繰り返すことで膵臓の負担を蓄積させ,糖尿病のリスクを高めることは,ぜひ知っておいてほしいと思います。
・その日の体調によって,時間の長さが短く感じられたり,長く感じられたりします。体調が悪く,身体全体の代謝が低下しているときは,時間があっという間に経つように感じられます。他方,発熱している場合や,運動直後のように,代謝が昂進しているときは,時間がなかなか立たないように感じられやすいのです。
・明治5年(1872年),太陰太陽暦から太陽暦への切り替えと同時に1日の時間を24等分する「定時法」が採用されました。さらに,日本全国で標準時を使い始めたのは明治21年(1888年)1月1日でした。この日を境に,日本人は,24時間刻みで,どの場所においても同じ時間を共有する生活に移行したのです。
・いったん何らかの選択がなされれば,その選択を肯定する情報を探し出そうとします。自分の選択が正しかったと思えるような情報はすぐ目に入る上,そうした情報は記憶にも残りやすいのです。他方,自分の選択が間違っていたことを示すような情報は,目に入りにくいし,目に入ったとしても,記憶には残りにくいという心的傾向があります。
・どうして私たちには現状維持バイアスがあるのでしょう?一つは,現在の状況や,自分がすでに持っているものを実際以上に高く評価し,それを失うことによる損失も実際以上に大きく評価する傾向に基づくようです。私たち人間は,「失う」ことをとても恐れ,すでに持っているものを失うことを極力避けようとする心的傾向があるのです。そのため,現状の維持にほとんど合理的理由が見当たらない場合でも,何か理由を見つけて,現状を維持しようと試みることすらあります。
・締め切り間際に作業を初めて,それがうまくいけば,「短い時間でも,自分はちゃんとその作業をすることができた」ということになって,自分の主観的価値を高めることになります。でも,時間があまりないので,失敗してしまうことのほうが多いことでしょう。ところが,失敗した場合,自我防衛機制が機能して,うまく作業ができなかったのは,自分には十分な能力があったにもかかわらず,その能力を発揮するための十分な時間がなかったから,という自分自身に対する言い訳をする余地を残すことになります。このような締め切り間際の作業に関する心の動きは,自我防衛機制のよく知られた例の一つです。
・成果が得られる見通しが立たないことがらに対してすでにかけた時間,労力,金銭などは,経済学の領域で サンクコスト と呼ばれています。
・私たちには時間に遅れやすい特性があることを知ること自体に意義があります。自分自身が,時間に遅れがちであるというメタ認知を得ることになるからです。
・サーカディアンリズムにおいて,12時間周期の睡眠のリズムがあります。日の出の頃に目が覚めた場合,それから6時間程度経った頃に眠くなる時間帯があるのです。そのため,午後の早い時間帯(午後2時ごろ)には,眠気に襲われることが多いのです。
・予定の時間の再設定の仕方ですが,やや余裕を持ってアナウンスしたほうが,主観的な評価を高めることにつながります。最初に悪い情報が与えられた後で,よい情報が与えられると,最初からよい情報を与えられた場合よりもよい印象を持たれやすいのです。つまり,15分遅れます,と知らせておいて,その予告通り15分後に到着するよりも,20分遅れますと伝えて,実際は15分後に,通知より5分早く着いたほうが,相手への印象はいいのです。
・複数のことを同時に行うと,一つひとつのことに向けられる注意の資源は減ることになります。すると,それぞれのことがらを特別な出来事として認識する回数も,記憶に残ることも減ります。それぞれを反芻することも難しくなります。このようにながら作業は,記憶の充実にはマイナスの効果を及ぼすことでしょう。
・待ち時間が延びるにしたがって,適当と感じられる増額に対応した利率は急速に低下します。この変化の仕方は,待ち時間が長いほど,心的に釣り合う利率が下がること,しかも,現在に近い時間ほどその下がり方が急であることを示しています。この現在に近い時間ほど急速な利率の減少があるということは,私たちが現在の価値を将来の価値よりも重視する傾向をもつことを意味しています。
・待つことを不快に感じる生物の特性こそが,これまでの進化の過程で,待たずに,目の前にある利益を確実に得ることが生き残る上で有効な戦略であったことを意味しています。目の前の利益を得ずに,それが将来より多くの利益を生むのを待っていた生物個体は淘汰され,そのような行動特性を持つ生物種は絶滅してしまったとも考えられます。しかし,このような価値判断におけるバイアスは,長い期間にわたって時間や労力を投資することでより大きな利益を生むことが可能になった現代の生活においては,非合理的な判断のきっかけになり得ます。たとえば,将来的な利益よりも目の前の欲求の対象を手に入れるために借金をして,予想外に大きな利子に苦しめられるのはその典型的な例といえます。
・私たちの日常的な生活の中では,時間は私たちの体験を基礎づける重要な特性といえます。哲学者のカントや物理学者のマッハからも,時間が空間とともに私たちにとって大事な次元であるのは,それらが概念や物理学的実在として重要性を持つからではなく,私たち人間の体験にとっての基本的次元だから,という指摘がなされています。

 以上である。まず「現状維持バイアス」というものが人間には存在するという点については,とても納得できる。また,現在の時間の価値が,未来の時間の価値よりも重要性が高いという人間の性質も納得だ。結局,人間は時間というのは,一定の進度で進むものと理解しているが,実際には,人間の「感じ方」によって大きく左右されるものであるという認識が重要であるということである。そして,それをきちんと認識していないと,「時間の使い方」を間違えるということになる。人間とは,本来生物であり,何万年という年月を生きて,遺伝子を繋いできた。その遺伝子には,これまで人間が経験した感覚がインプットされている。それは,人間が持つ「感じ方」と言い換えることもできる。人間は,時間というものの感じ方を長い年月を通じて身につけた。しかし,1872年に1日は24時間となり,時間は一定の速さで進むという認識が持たれるようになった。現在では,ほとんどの人が腕時計をしたり,スマホの時計を見ながら生活している。しかし,人間本来の時間の感じ方は,消えたわけではない。やはり,遺伝子にその感覚は残っている。そして,そのズレが,生活における失敗を招くことがあると著者は警鐘を鳴らしているのである。おそらく,この事実を知らない人は多い。学校では習わない事実だからだ。私たちは,時間という概念に限らず,人間の特性と科学の特性との相違点を,しっかりと認識しておく必要があるだろう。
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2018年03月11日

最強! の毛髪再生医療 - 豊かな髪と再び出会える本 -/荒浪 暁彦

 年齢とともに毛髪も気になりだしたので,本書を購入した。著者は,浜松医科大学を卒業後,同大皮膚科入局。静岡市立清水病院,富士宮市立病院などを経て,現在,静岡県島田市および千葉県船橋市の皮膚科漢方クリニック『あらなみクリニック』総院長とのこと。かなり説得力のある説明があるのでは,と期待して読んだ。私が参考になった点は,次の通りである。
・フサフサの髪と美肌を維持したければ,高額な育毛剤や化粧品を使うよりも”健康でいること”のほうがよほど重要です。
・最新医学により,便の状態を左右する腸内の細菌が,人間の髪や肌,体の健康はもちろん,人格にまで影響を及ぼすことが解明されています。
・たしかに漢方は中国で発祥したものですが,現在の「漢方医学」というのは,中国から日本に伝わって独自の発展を遂げたもの。つまり,日本特有の伝統医学なのです。
・そもそもウイルスと細菌とは違います。ウイルスは生命の最小単位である細胞を持たず,外部から栄養を摂って増殖することもありません。ウイルスは,ほかの細胞に取りついて自分の遺伝子情報を送り込み,自分のコピーを作らせることで増えていきます。そのため,ウイルスは無生物,非生物とされることもあります。無生物を”殺す”ことができないのは,言うまでもないでしょう。
・人間の脂肪,特にヘソの周りの脂肪には,体の中で老化した部分を補修し,新しい細胞を増やす(若返らせるとも言えます)種になる幹細胞が多く存在しています。

 以上である。著者は,理論だけでなく,実践して毛髪再生医療に取り組んでおり,その情熱には脱帽する。世の中に,これだけ毛髪で悩んでいる人がいるにも関わらず,それが治療できないというのは,確かに医学的に考えると残念な話である。そして,別にハゲていても私生活に関係ないと考えることもできるが,実際には,毛髪はその人の健康状態と密接に関わっていることもわかってきている。つまり,毛髪を気にするならば,自分自身の健康を気にする方が近道と言えるだろう。しかし,それだけではなく,質の悪いシャンプーなどを使って,細胞を痛めつけることも問題だ。私自身,もうシャンプーは使っていない。いわゆる湯シャンをしているが,まったく問題ない。人間の固定観念とは,恐ろしいものである。また,ランニングをするようになって,ある程度毛髪も気にならなくなった。いかに健康が重要であるかということである。そういう意味では,本書は今まで読んできた本と似通った部分はあったが,これまでの考えを再確認することができた。
posted by J-HASE at 21:42| Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月02日

低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人/重吉 勉

 不動産投資には,5年以上前から興味を持っている。実際に,不動産会社に出向いて,マンションを見に行き,購入を検討したことも何度もあった。しかし,今のところ実際の購入までは至っていない。本書は,不動産投資を始める上で,どのような点に注意すればよいかを,丁寧に解説してくれている。私が参考になった点は,次の通りである。
・2016年6月の神奈川県のアパートの空室率は,調査開始以来,過去最高となる36.5%に達しています。およそ3戸に1戸が空室という異常な空室率です。
・賃貸需要の大きさは人口数に比例します。その点,日本で最も人口が多い東京は最も賃貸の需要が大きい立地になります。現在,約1300万人が暮らしており,これは日本の人口の約1割です。日本の人口の土地のわずか0.5%ほどの場所に,これだけの人が暮らしているのです。
・将来,東京でも,人口が減少していくという予測もありますが,2060年の推計人口は1173万人で,これは20年前の1997年当時の東京の人口と変わりません。
・団体信用保険は文字どおり,ローン利用者が「団体」で加入する保険です。そのため,加入年齢によって支払う保険料の金額は変わりません。一方,「個人」で加入する一般の生命保険の場合は,加入時の年齢が上がれば上がるほど,保険料も高くなります。もし,同じ保障を30歳の人と50歳の人で得ようとすると,毎月の保険料は2倍程度の違いが生まれます。年齢が高くなり,通常の保険では負担が大きすぎる人にとっては,マンション投資は生命保険の代わりとしてもうってつけです。
・投資用ローンの場合,自分自身が購入した収益不動産に住むわけではないので,ローンに対する意識も自宅に対するものとは異なります。すなわち貸し倒れのリスクを高く見積もっているのです。
・現在はマイナス金利の影響で,多くの金融機関が比較的低い金利で貸し出しています。そのなかでも,とくに「固定低金利」で融資を受けられるのが日本政策金融公庫です。固定金利(1.16%〜1.76%)で融資を利用することができます。ただし,民間の金融機関の借入れが最長35年なのに対して,日本政策金融公庫の借入れ期間は原則10年までとなっています。
・人口が増加している日本でも数少ない都道府県の1つに福岡県があります。2016年も人口の流入数から流出数を差し引いた数は5732人となっています。全体としては人口が増加していますが,その内容を見ると,就職をきっかけに東京をはじめとする大都市に若者が流出していることがわかります。15歳から19歳までは転入者が転出者を上回っていますが,20歳から29歳までは転出者の方が上回っています。
・福岡の転入数を底上げしているのは,実は30代〜40代です。この世代はファミリー世帯であることが多く,少なくともワンルームマンションには入居しません。また,自宅を購入してしまうことが多いことから,賃貸市場の借り手としてはあまり考えられません。
・建築基準法に定められた耐震基準は1978年の宮城県沖地震の被害を教訓にして改正され,1981年6月に施行されました。以前の基準を「旧耐震基準」,以降を「新耐震基準」と呼びます。
・株や投資信託などの金融商品と異なるのは,経費を計上できることです。不動産から得られる収入から不動産経営を行ううえで必要な経費を差し引いた金額が,不動産所得として計算の対照となります。
・現在の東京の中古ワンルームマンションの手取り利回りは4〜6%,借入れ金利が1.5〜2%です。その差が2%以上あるので,ローンを利用したとしても,毎月の収支をプラスで運営することができます。そして,そのプラスの収支分も繰り上げ返済資金に加えて積極的にローンを返済していくと,資産形成のスピードはさらに加速していきます。

 以上である。個人的には,自己資金をほとんど使うことなく,不動産投資が始められるという本性の内容に,非常に興味を持っている。東京23区の若者人口が今後10年増え続けるという予測は,おそらく正しい。それならば,駅から徒歩10分以内のワンルームマンションを狙うというのは,正しい判断だろう。しかも,今の低金利を利用してローンを組めば,ローン返済を差し引いても,収支はプラスになるという計算だ。これは,まさに打ち出の小槌ではないか。しかし,そんな安易な考えで本当に大丈夫だろうか。うまい話には,必ず理由があるものだ。自分なりに,さらに詳しく調べて,不動産投資をするかどうかを判断していきたい。
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2017年11月05日

都道府県格差/造事務所 (著), 橘木 俊詔 (監修)

 愛媛県出身で,現在は神奈川県在住。これまでに,福岡,浜松などに住んでいたこともある。また,最近では,仕事で石川県や福井県に行くことも多い。そのような中で,都道府県の違いを知りたいと思い,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・帝国データバンクが毎年行っている「出身地別人口10万人あたりの社長輩出数」という調査では,福井県がなんと34年連続でトップなのです。
・愛知県といえば,先ほど触れたトヨタ自動車が有名ですが,トヨタ系列の自動車部品メーカーとして知られるデンソーとアイシン精機(いずれも刈谷市),ミシンやFAX,プリンターを製造するブラザー工業(名古屋市)など製造業の有名企業が少なくありません。
・都道府県別にみた場合,(合計特殊出生率の)トップは沖縄県で1.94人,2位は島根県で1.8人,続いて宮崎県,鳥取県,熊本県という結果になりました。2位から10位までは,九州を中心に四国,中国地方など西日本の県が占めています。
・秋田県の学校では,生徒ひとりひとりに「家庭学習ノート」が与えられ,科目や内容を問わず自主的な学習を行うことが推奨されています。つまり,漢字の練習でも生き物の観察でも,自分の興味のあることを自発的に勉強し,先生に提出するという習慣が,自然と身についているわけです。
・人口10万人あたりの病床数では,九州の各県が軒並み上位に位置しています。病院では鹿児島県が2位,熊本県が3位,長崎県が5位という結果ですし,一般診療所では鹿児島県が1位,大分県が2位,佐賀県が3位,長崎県が4位,熊本県が5位とベスト5を九州勢が独占しているのです。そういう意味では,九州は隠れた医療大国といえるのかもしれませんね。
・喫煙率が低い上位5県は,男性が奈良県,京都府,徳島県,神奈川県,愛媛県,女性が徳島県,島根県,鳥取県,奈良県,福井県でした。
・「人口100万人あたりの常設映画館数」では,1位は福岡県の36.7件,2位は熊本県の31.2件,3位は鳥取県の24.4件となっています。そのほかベスト10のなかには,7位の香川県や9位の愛媛県といった四国地方の県の名前もあります。
・日本新聞協会の2016年度の調査によれば,「1世帯あたりの新聞発行部数」の1位は福井県の1.03,2位は富山県の1.02,3位は石川県,奈良県,鳥取県の1.0となっています。
・「食費」をみると,全国トップは東京都と福井県で103.1,続いて石川県,高知県,神奈川県,島根県,鳥取県となりました。地方と首都圏が混在していますが,共通する問題点のひとつは,おそらく物流コストでしょう。東京都は,農作物や魚介類の多くを近隣県から購入していますが,地価が高いので倉庫の維持費が高くついてしまいます。また日本海側にある石川県や福井県,鳥取県,四国の高知県は,他地域からの商品の輸送では不利な面があるのでしょう。
・全国的にみると,首都圏を含む東日本ではセブンイレブン,近畿圏ではローソンが優勢です。東日本の住人の味覚に合わせたセブンイレブン系のコンビニ弁当は近畿圏では人気を得にくく,近畿圏進出のネックのひとつになっているともいわれます。
・東京都に次いで駅が密集しているのは大阪府で,1平方キロメートルあたり0.27ヶ所,続いて神奈川県,富山県,愛知県,福岡県,千葉県となります。大都市圏が並んでいるなか,富山県の健闘ぶりは目を引くものがあるといえるでしょう。じつや,富山県は全国で唯一,「すべての市町村に鉄道駅がある県」として知られています。
・福井県鯖江市は,「データシティ鯖江」として,日本で初めて2012年にオープンデータ化を導入しています。鯖江市では,公共施設での無線LAN設備,トイレやAEDの設置場所,さらには農家が穫れたての野菜を販売している農産物直販所の情報,市内での野生のサルの出没した場所までポータルサイト上から見ることができます。

 以上である。どうしても,自分に関係のある県に目が行ってしまったが,それぞれの県の共通点や相違点を具体的に理解することができた。北陸地方の人たちが新聞をよく読んでいるという話は,学力調査の高さと大いに相関関係があると感じた。九州が医療大国であるという話も興味深かったし,喫煙率が低い県に神奈川県と並んで愛媛県が入っていることもとても興味深い。食費が,東京都と福井県で同じくらい高いという話もとても面白い。本書は,単にデータを並べているものではなく,それぞれのデータから考察を加えている。そして,その分析が的確である。とても勉強になる良書だ。
posted by J-HASE at 21:42| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月31日

55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由/藤田 紘一郎

 年齢とともに頭髪のことも気にするようになってきたので本書を購入した。著者は,東京医科歯科大学医学部卒業,東京大学医学系大学院修了の医学博士。私が参考になった点は,次の通りである。
・炭水化物のとり過ぎは,糖尿病も引き起こしますが,脱毛もうながします。実際に私も炭水化物を控えるようになったら,それだけで髪に元気が戻ってきました。
・スポーツドリンクには,ペットボトル1本(500ml)に20〜30グラムもの糖分が入っています。具体的にいえば,スティックシュガー10本分にも相当します。
・亜鉛は味覚にも大事なミネラルです。亜鉛不足は,舌で味覚を感知する味蕾が減少し,味覚障害を生じることがわかっています。
・自律神経とは,自分の医師に関係なく体の働きを調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり,それぞれ対照的に働きます。交感神経は活動時に働く神経で,副交感神経は休息時に働く神経です。ただし,腸と生殖器だけは,これとは反対の動きをします。副交感神経が優位のときに働きを高め,交感神経が優位になると活動を抑えるのです。
・”発毛ミネラル”亜鉛の多い食事をする(カキ,レバー,牛肉,卵,うなぎ,玄米,納豆,煮干,ゴマなどに亜鉛は豊富)。
・シャンプー剤にはこだわらない私ですが,シャワーヘッドにはこだわっています。シャワーヘッドは,塩素を除去できる浄水機能のついたものを使っています。塩素を頭皮につけたくないからです。
・インスタント食品やファストフードなどの加工食品は,亜鉛の含有量が著しく低いだけでなく,亜鉛の吸収を妨げるリン酸塩という物質が多く含まれています。亜鉛は薄毛対策に重要なミネラルです。亜鉛含有量の多い食品をとることも大事ですが,その吸収を妨げる加工食品を避けることも,薄毛対策には必要です。
・シリカは,体内で生成できないばかりか,成人で1日あたり10〜40mgずつ消耗されていくことがわかっています。それを補うためにも,シリカを含む飲み物や食べ物を毎日とることが,毛髪力をよみがえらせるうえでの必要事項となってくるのです。
・緑茶に含まれるカテキンにも,強力な抗酸化作用があることがわかっています。日本各地を市町村ごとに細かくわけて長寿地域を探してみたところ,長寿地域の多くは緑茶を多く飲んでいる場所でした。緑茶のカテキンが活性酸素を抑え,老化を防いでいると考えられます。
・男性の場合は,男性ホルモンが薄毛の原因といわれますが,実際には男性ホルモンが頭皮にある5aリダクターゼと結びついた際に脱毛が起こります。よって,薄毛の改善には男性ホルモンの量よりも,5aリダクターゼを抑制できるよう,亜鉛を豊富に含む食材を積極的にとることのほうが,はるかに重要です。
・薄毛は腎虚の表れであり,若ハゲは若くして生殖器が衰えていることを示すというのが,東洋医学の考え方です。
・髪は「血」の一部分であり,血液に余裕があるほど豊富な状態が「血余」です。髪がフサフサしてつややかである人は,血液の流れもよく生命活動が活発であることを表しています。
・頭皮のコラーゲン生成をうながす良質のシリカ水を毎日飲む。

 以上である。私は,本書を読んでまず自宅のシャワーヘッドを交換した。水道水に含まれる塩素が,髪に悪影響を及ぼしているということは,本書を読んで初めて知った。もちろん,効果があるかどうかはわからないが,試してみる価値はあるだろう。それから,シリカ水についてもとても興味を持った。最近では,お茶やジュースを飲むのを避け,できるだけミネラルウォーターを飲むようにしている。ミネラルウォーターにも様々な種類があり,特にシリカ水が髪に良いということも本書で学んだ。また,水道水に含まれる塩素をできるだけ摂取しないようにするために,台所の水道にも浄水器を付けた。どれも即効性のあるものではないだろうが,少しでも改善されるなら意味があったと言えるだろう。また,髪と健康が密接に関わっているというのは,他の書籍を読んで知っていたが,特に亜鉛の摂取が大事であるということが本書では強調されていた。亜鉛を含んだ食材は,比較的私の好きな食べ物が多いので,これからも積極的に食べようと思った。本書は,薄毛についての本質的な改善策が提案されている良書である。
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2017年08月14日

コミュニティ・オブ・プラクティス Kindle版/Etienne Wenger (著), Richard McDermott (著), William M. Snyder (著), & 2 その他

 「実践コミュニティ」について勉強するために,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・プロセスがあらかじめ計画可能な仕事のやり方であるのに対し,実践は,一つのプロセスと次のプロセスの間で,人間が行う仕事を指している。このような状況依存の意思決定が必要な「実践」こそが,重要なナレッジ・ワークだというのが,その主張である。
・実践(プラクティ)は,知識を生み出す活動を意味する。定期的に集まるグループであっても,もし知識を相互に学び合い,高め合うような実践を共にしていなければ,それは単なる知り合いに過ぎない。
・われわれが実践コミュニティの立ち上げを支援してきた企業でも,組織をつなぐコーディネーターの想いや働きかけの強さが,組織の壁を越えられるかどうかの決め手となった。
・個人主義を促進する人事評価制度が加われば,だれも他人を助けたりしなくなる。
・企業が実践コミュニティに取り組むことにより,社員の間での「信頼関係」が回復されるのである。信頼がなければ,知識を他人に公開したり,時間を割いてまで教えたりしたくはないだろう。コミュニティの重要性は,知識を提供する上での心理的な障壁を取り去ることにある。同様に質問をする側の心理的障壁も取り去る必要がある。
・実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)とは,あるテーマに関する関心や問題,熱意などを共有し,その分野の知識や技能を,持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団である。
・知識戦略をこのような情報システムに賭けた企業はやがて,デジタルのガラクタ置き場を作ったに過ぎないことに気付いた。
・実践者がこのような専門的技術を向上させるためには,同じような状況に直面する人々と交流する機会が必要である。たとえば神経外科医は技術に磨きをかけるためなら,どんな遠方でも,仲間と一緒に手術台に立ちに行くだろう。
・たとえば何を科学的知識として認定するかは,どのような事実が重要でありどのような理論が有効かを,相互交流を行いながら明確にしていく,学術的コミュニティの特権なのだ。
・実践コミュニティは,必要な知識を生み出して共有する責任を,実践者自身に担わせることで,メンバーに対話の場を提供し,知識の生き物としての特性を維持することができるのである。
・組織という文脈の中でコミュニティを育成することは一種の芸術
・戦略を遂行できるかどうかは,一つには現場の最前線で活躍する有能な実践者を関与させることができるかどうかにかかっている。
・今日の遠隔会議では,モーリーンが,この製品を大手顧客のためにインストールした経験について話すことになっている。だがコンサルタントたちはいきなり本題に入るのではなく,まず10分ほどかけて,かれらの部署で最近行われた再編成について,それがいいことなのか,自分たちにとってどんな意味があるのか,といった雑談をする。
・実践コミュニティが最も繁栄するのは,組織の目標とニーズが,参加者の情熱や野心と交差する時だ。
・実践コミュニティの成功は個人の情熱に追うところが大きいため,参加を強制しても効果はない。
・優れたコミュニティでは,意見の不一致があっても強力な結びつきが損なわれることはなく,メンバーが対立を関係や学習を深める手段として利用することさえあるのだ。
・領域に関心があってコミュニティに加入した人は,コミュニティに感情移入するようになって,そのまま居続けることが多い。
・上手く設計された実践コミュニティでは,グループ討議に参加したり,一対一の会話をしたり,新しいアイデアに関する文献を読んだり,専門家が最先端の問題をめぐって対決するのを眺めたりすることができる。
・優れたコミュニティ設計を行うためには,知識を開発し世話する潜在能力がコミュニティにどれほどあるかを理解することが大事だ。メンバーがこの可能性を理解するためには,部外者(アウトサイダー)の視点を取り入れなくてはならない。
・成功するコミュニティは参加を強制するのではなく,傍観者のために「ベンチを作る」ことをしている。たとえばコミュニティ・ウェブサイトの非公開の会議室や,コミュニティのイベントや,一対一の会話を通じてセミ・プライベートな交流を図る機会を設けるなどして,周辺メンバーをつなぎとめておく。
・組織の重要な問題に関心を持つ人々が非公式な集団を形成し,これらの人々がネットワーク作りを始めることが多い。単なる緩やかなネットワークであれ,すでに実践コミュニティとしての自覚が芽生え始めているのであれ,この集団がコミュニティのコア・グループを形成し,率先してコミュニティをまとめていくのである。
・コミュニティは,最初からその可能性が決まっているのではなく,可能性に向かって発展していく。
・領域の中でも,企業にとって特に重要な問題に重点的に取り組むこと。
・ほとんどの領域には,「思考リーダー」と目される人が何人かいる。つまり領域の最先端の問題を明確に示すことのできる人,または非常に経験豊かで尊敬を集めている実践者だ。これらの思考リーダーを早くからコミュニティに関与させることができれば,コミュニティを正当化し,他の主要なメンバーを引きつけやすくなる
・競合情報(競合他社や業界の動きなど,競争環境に関する情報)を扱うあるグローバルなコミュニティでは,月例の遠隔会議を始める際に,各メンバーが自分のサイトの最大の技術問題について二分以内で述べる「チェックイン」と称されるしきたりがある。また終わりには必ずメンバーに会合の意義を評価させ,次回の会合を改善するためには何をすべきか考えさせている。
・コミュニティのメンバーがどんなに情熱にあふれて積極的であろうとも,コミュニティを取り巻く組織に溶け込む方法を見出さなければ,コミュニティの「活気」は大きく損なわれてしまう。
・コミュニティに焦点を当てれば,最終的には組織全体を変容させることになるのだ。
・実践を生み出すためには,組織の内部だけでなく外部にある専門知識の源泉をも活用する必要がある。たとえば会議やコンソーシアム,専門家のネットワークなどを通じて,他社の一流の実践者やコンサルタント,学者から学ぶなどだ。部外者の視点は,極めて価値あるアイデアの宝庫でもある。また社内の知識実践者は組織の外の見解に触れることで,自らの信頼性を高め,自身を深めることができる。
<第十章>
・コミュニティ組織化の手法は,自発的な推進活動を重視し,また場所や所有構造で規定される境界ではなく,実践を基にして体系付けられている。そのため,とりわけ市場や社会への適応に向いているのである。

 以上である。この本で私が最も注目して読んだのは,「どのようにしてコミュニティを形成するか」である。今の日本の企業や,良くも悪くもかなり組織化,効率化されていて無駄が少ない。それは,戦後から高度経済成長時代を経て,バブルが崩壊し,そこから経済が停滞したことと大きく関係しているように思われる。今までの日本人は,大きな変革を起こすことが苦手で,既存のものを改善したり手を加えたりすることが得意だった。だから,システムをより効率化する方法を常に研究してきた。しかし,その手法は現代ではますます通用しなくなっているように思われる。なぜなら,時代の変化のスピードが速すぎて,現在のシステムに多少の手を加える程度では,その変化に対応できないからだ。
 だから,今後の私たちは,常に時代の変化を意識しながら,それに対応させる方法を考えていかなければならない。そのような状況の中で,既存の組織が時代の変化に対応できていない場合,個々の人間は何をすべきか。それは,自分たちで考える集団,つまり「実践コミュニティ」を形成していくしかない。しかし,そのようなコミュニティは,非公式であるため,周囲との連携も必要になる。実践コミュニティは,周囲と連携しながら,外部と関わりを持ち,独自に発展していく必要がある。そして,最終的にはその企業そのものさえも変える存在になりうるものだ。時代に対応した企業をつくるということは,本質的にそのようなことであるように思われる。社長自らがトップダウンで運営する企業もあるだろうが,そのような企業には永続性が見込めない。社員自らが,考え行動することで大きな流れを作ることが,企業が存在し続けられる唯一の方法であるように思われる。本書は,その具体的な方法論が述べられて,とても勉強になった。
 なお,私は本書をKindle で購入し,iPad のアプリを使って読了した。結論から言うと,本書のデジタルデータは,酷いものであった。最大の問題点は,第六章の次が第八章になっている点。また,第十章の次が第七章になっている。この時点で,書籍としてはアウトである。さらに問題なのは,ページが記載されていない点。だから,どのページを参照したかが人に伝えられない。アプリでは,6706ページと書かれているが,そんなわけがないだろう。無茶苦茶だ。しかも,漢字に振られているルビも無茶苦茶だ。「舞い」は「ンスダ」,「推進力」は「ライバド」,「知識銀行」は「ッジ・バンク」など,いい加減にしろというレベル。さらに,Kindle のアプリ自体も使いにくい。まず,ページめくりの反応が悪い。何度フリックしてもページがめくれないときがある。さらに,マーカーを引くときの反応も悪い。自分のマーカーしたい場所からラインが引けない。Apple Pencil を使ったら多少はマシになるが,それでは本質的な解決になっていない。このレベルで,電子書籍を勧める資格はアマゾンにはない。はっきり言えば,hontoアプリの方がよっぽど使いやすい。Kindle アプリの相当の改善をお願いしたい。
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2017年07月17日

歯は磨かないでください 歯周病を治すと、全身が健康になる/豊山 とえ子 (著), 近藤隆一 (監修)

 40代になり,かなり歯のケアについて気にかけるようになった。最近でも,立て続けに歯がもげて,自分の歯をかなり心配している。やはり,甘いものを食べすぎているのかもしれない。そのようなこともあり,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・疲れているときには代謝が落ちているので,出るべきものが出ません。つまり唾液の量が減るのです。唾液が減ると,本来常に唾液に洗い流されて清潔に保たれているべき口の中が乾燥し,細菌が繁殖します。
・ご自宅で塚区歯磨き粉をホワイトニング剤含有のものに変えるのも手軽にできる方法です。「クレスト 3Dホワイト グラマラスホワイト」などがあります。
・水がしみるという知覚過敏の症状は,歯が欠けて起こる場合もありますが,年齢や歯周病の悪化で歯肉が退縮してきて,歯の根の部分が露出してくることによって起こる場合もあります。
・虫歯菌は砂糖が大好きです。また,砂糖を食べると体の免疫力が下がります。砂糖を分解するのにカルシウムが必要になります。もともと体には天然のカルシウムがありませんので,仕方なく,体の骨や細胞のカルシウムを消費せざるを得なくなります。すると骨粗鬆症につながります。
・いろいろ種類はありますが,なんといっても,日本の歯科医が選ぶナンバーワンブランドである「ソニッケアー」(フィリップス)と,「オーラルB」(ブラウン)が圧倒的な効果を誇っています。
・私がおすすめしているのは,「アパガードリナメル」という歯磨剤です。50g1000円前後ですが,ナノ粒子のハイドロキシアパタイト(HA)が配合されています。歯を研磨するのではなく,微細な凸凹をナノ粒子のHAが埋め,輝く美しい歯をつくります。汚れを「つきにくくする」ので,予防に力を入れている歯科で特におすすめしている歯磨剤のひとつです。
・日本の健康保険制度の中で許可されてりう金属は最低保証だということを知っておいてほしいです。一般的に保険制度の中で認められている銀色の金属は,金銀パラジウムの合金です。これは,歯の硬さよりもかなり硬い金属なので,噛み合わせたときの影響を考えてしまいます。一部を削って,これを詰めた場合に,噛むたびに歯の生きている部分と金属の間に多少のたわみができるのです。ですから,接着面から新たな虫歯ができることも多いのです。汚れがつきやすい金属なので,治療から2〜3年目で悪くなることも多いです。

 以上である。とにかく,歯に関しては,自分の体の一部なので,そのケアはこれからも引き続きしっかりと行いたい。幸い,経済的には問題ない生活ができているので,この本で勧められていた「アパガードリナメル」という歯磨剤の購入を検討したい。また,個人的には歯の定期検診には,少し疑問を持っている。定期検診では,小さな虫歯も治療され,歯を削られる。だから,定期検診をするたびに,歯が削られるのだ。そうなると,いずれは神経を取られたり,最悪,抜歯というということになる。私の場合は,親知らずの歯は,4つとも健在なのだが,歯科医では虫歯の治療をする度に,親知らずの抜歯を勧められる。普段の生活にまったく問題なのに,なぜ親知らずを抜歯しなければならないのか,全然意味がわからない。むしろ,1本でも多くの歯を残すことこそが,歯科医の使命ではないのか。そう思わずにはいられない。そういう意味では,すぐに歯を削ったり,神経を取ったりする歯医者には,怒りさえ覚える。本書のような本を多くの人が読んで,日本人の葉の健康に対する意識が高まることを強く望む。
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戦略は歴史から学べ―――3000年が教える勝者の絶対ルール/鈴木 博毅

 過去の歴史から,現代のビジネス戦略を考察するという本。もともと世界史に興味があり,それをビジネスとどのように関連させるのかということにも興味を持った。私が参考になった点は,次の通りである。
・世界長者番付で13年連続の1位だったビル・ゲイツ氏は,高校時代から当時普及し始めたコンピューターにのめり込み,ハーバード在学中に友人のアレンと大手企業にプログラムを売り込むも,最初は上手くいきませんでした。しかし1974年に新発売のコンピューター「アルテア」が雑誌に掲載されるのを見て,二人は衝撃を受けます。
・アメリカのタイメックスは腕時計業界に進出するとき,高級で知られるスイス製腕時計が並ぶ宝飾品店に出品せず,スーパーマーケットなどの店頭で販売し低価格腕時計の新たな市場を生み出しています。
・「考えるばかりで始めない」姿勢は,試験運用をすぐ開始して試行錯誤から始める側からすれば,好機をつかめない”のろまな亀”となってしまうのです。
・1920年代の日本は,第一次世界大戦の戦時バブルが崩壊。日露戦争の膨大な戦債の支払いで困窮していた市民生活は,一時持ち直すも慢性的な不況に苦しみます。1931年に日本の関東軍が満州事変を起こして,日本は満州国を建設。日本のシベリア出兵などで警戒感を強めていたアメリカなどの列強の避難を浴び,1933年には国際連盟を脱退。長引く不況,軍部の台頭,国際社会での孤立の三つの難題を抱えます。
・1941年7月,日本軍はフランス領インドシナ南部に進駐を開始。アメリカはフィリピンを植民地としており,この進出は許容できず日本への石油の全面輸出禁止を発動。この措置に驚いたのが日本海軍です。石油備蓄はわずか一年しかなく,備蓄が尽きたときにアメリカから戦争を仕掛けられることを怖れて早期開戦論が浮上します。日本政府は開戦を避けるためアメリカと交渉を続けましたが,日本軍がインドシナ南部の撤兵を一貫して拒否したため,11月26日には日本側が受け入れにくい条件のハル・ノートが提示され,数日後には外交交渉も打ち切られます。1941年12月8日,日本軍は真珠湾を攻撃。この報告でイギリスのチャーチルは戦争の勝利を確信します。日本がアメリカに宣戦布告したため,同盟国の独伊もほぼ自動的にアメリカに宣戦布告。この結果,アメリカは欧州戦線に連合国側で参戦を開始します。
・1945年4月30日,ヒトラーはベルリンの司令部地下壕で自殺。二日前にイタリアのムッソリーニが逃亡中に射殺され,8月6日には広島に,8月9日には長崎に原子爆弾が投下されて第二次世界大戦は終了します。
・1945年6月に日本軍の沖縄での組織的な抵抗が消滅。8月上旬には広島,長崎で原爆が炸裂。ソ連が日本に宣戦布告し,150万人が満州,4万人が北朝鮮に攻め込みます。
・38度線の南をアメリカ,北をソ連が日本軍の武装解除を担当する案をソ連側も了承。当初38度線に障害物などはなく,米ソの兵士が一緒に食事をしたり,トランプをする光景も見られましたが,当地方針の違いが次第に明確になり,半島内も政治勢力の対立が激化。米国はソ連の反対を押し切って朝鮮独立問題を国連に提訴します。1948年5月に南朝鮮の選挙で李承晩を大統領とsる大韓民国が成立。北朝鮮も8月に選挙を行い,金日成を首相とする朝鮮民主主義人民共和国の樹立を宣言。ソ連は同年10月に撤退を開始,米軍も軍事顧問以外は翌年6月に撤兵を完了します。

 以上である。この本の特徴としては,古代の戦いから始まり,中国,戦国時代,そして植民地戦争,近代の戦争へと歴史の話が推移している。前半の古代の戦いについては,資料が少ないせいか説明がわかりにくく,しかも無理やり現代のビジネスと関連付けしている感が否めない。しかし,それに対して近代の戦争については,資料内容も豊富で単純に歴史を知るというだけでも十分に価値がある。また,ビジネスへの関連付けも説得力のあるものが多かった。以上から,単純に歴史を知るというだけでも,十分楽しめる本だといえる。
posted by J-HASE at 02:53| Comment(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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