2017年11月05日

都道府県格差/造事務所 (著), 橘木 俊詔 (監修)

 愛媛県出身で,現在は神奈川県在住。これまでに,福岡,浜松などに住んでいたこともある。また,最近では,仕事で石川県や福井県に行くことも多い。そのような中で,都道府県の違いを知りたいと思い,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・帝国データバンクが毎年行っている「出身地別人口10万人あたりの社長輩出数」という調査では,福井県がなんと34年連続でトップなのです。
・愛知県といえば,先ほど触れたトヨタ自動車が有名ですが,トヨタ系列の自動車部品メーカーとして知られるデンソーとアイシン精機(いずれも刈谷市),ミシンやFAX,プリンターを製造するブラザー工業(名古屋市)など製造業の有名企業が少なくありません。
・都道府県別にみた場合,(合計特殊出生率の)トップは沖縄県で1.94人,2位は島根県で1.8人,続いて宮崎県,鳥取県,熊本県という結果になりました。2位から10位までは,九州を中心に四国,中国地方など西日本の県が占めています。
・秋田県の学校では,生徒ひとりひとりに「家庭学習ノート」が与えられ,科目や内容を問わず自主的な学習を行うことが推奨されています。つまり,漢字の練習でも生き物の観察でも,自分の興味のあることを自発的に勉強し,先生に提出するという習慣が,自然と身についているわけです。
・人口10万人あたりの病床数では,九州の各県が軒並み上位に位置しています。病院では鹿児島県が2位,熊本県が3位,長崎県が5位という結果ですし,一般診療所では鹿児島県が1位,大分県が2位,佐賀県が3位,長崎県が4位,熊本県が5位とベスト5を九州勢が独占しているのです。そういう意味では,九州は隠れた医療大国といえるのかもしれませんね。
・喫煙率が低い上位5県は,男性が奈良県,京都府,徳島県,神奈川県,愛媛県,女性が徳島県,島根県,鳥取県,奈良県,福井県でした。
・「人口100万人あたりの常設映画館数」では,1位は福岡県の36.7件,2位は熊本県の31.2件,3位は鳥取県の24.4件となっています。そのほかベスト10のなかには,7位の香川県や9位の愛媛県といった四国地方の県の名前もあります。
・日本新聞協会の2016年度の調査によれば,「1世帯あたりの新聞発行部数」の1位は福井県の1.03,2位は富山県の1.02,3位は石川県,奈良県,鳥取県の1.0となっています。
・「食費」をみると,全国トップは東京都と福井県で103.1,続いて石川県,高知県,神奈川県,島根県,鳥取県となりました。地方と首都圏が混在していますが,共通する問題点のひとつは,おそらく物流コストでしょう。東京都は,農作物や魚介類の多くを近隣県から購入していますが,地価が高いので倉庫の維持費が高くついてしまいます。また日本海側にある石川県や福井県,鳥取県,四国の高知県は,他地域からの商品の輸送では不利な面があるのでしょう。
・全国的にみると,首都圏を含む東日本ではセブンイレブン,近畿圏ではローソンが優勢です。東日本の住人の味覚に合わせたセブンイレブン系のコンビニ弁当は近畿圏では人気を得にくく,近畿圏進出のネックのひとつになっているともいわれます。
・東京都に次いで駅が密集しているのは大阪府で,1平方キロメートルあたり0.27ヶ所,続いて神奈川県,富山県,愛知県,福岡県,千葉県となります。大都市圏が並んでいるなか,富山県の健闘ぶりは目を引くものがあるといえるでしょう。じつや,富山県は全国で唯一,「すべての市町村に鉄道駅がある県」として知られています。
・福井県鯖江市は,「データシティ鯖江」として,日本で初めて2012年にオープンデータ化を導入しています。鯖江市では,公共施設での無線LAN設備,トイレやAEDの設置場所,さらには農家が穫れたての野菜を販売している農産物直販所の情報,市内での野生のサルの出没した場所までポータルサイト上から見ることができます。

 以上である。どうしても,自分に関係のある県に目が行ってしまったが,それぞれの県の共通点や相違点を具体的に理解することができた。北陸地方の人たちが新聞をよく読んでいるという話は,学力調査の高さと大いに相関関係があると感じた。九州が医療大国であるという話も興味深かったし,喫煙率が低い県に神奈川県と並んで愛媛県が入っていることもとても興味深い。食費が,東京都と福井県で同じくらい高いという話もとても面白い。本書は,単にデータを並べているものではなく,それぞれのデータから考察を加えている。そして,その分析が的確である。とても勉強になる良書だ。
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2017年08月31日

55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由/藤田 紘一郎

 年齢とともに頭髪のことも気にするようになってきたので本書を購入した。著者は,東京医科歯科大学医学部卒業,東京大学医学系大学院修了の医学博士。私が参考になった点は,次の通りである。
・炭水化物のとり過ぎは,糖尿病も引き起こしますが,脱毛もうながします。実際に私も炭水化物を控えるようになったら,それだけで髪に元気が戻ってきました。
・スポーツドリンクには,ペットボトル1本(500ml)に20〜30グラムもの糖分が入っています。具体的にいえば,スティックシュガー10本分にも相当します。
・亜鉛は味覚にも大事なミネラルです。亜鉛不足は,舌で味覚を感知する味蕾が減少し,味覚障害を生じることがわかっています。
・自律神経とは,自分の医師に関係なく体の働きを調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり,それぞれ対照的に働きます。交感神経は活動時に働く神経で,副交感神経は休息時に働く神経です。ただし,腸と生殖器だけは,これとは反対の動きをします。副交感神経が優位のときに働きを高め,交感神経が優位になると活動を抑えるのです。
・”発毛ミネラル”亜鉛の多い食事をする(カキ,レバー,牛肉,卵,うなぎ,玄米,納豆,煮干,ゴマなどに亜鉛は豊富)。
・シャンプー剤にはこだわらない私ですが,シャワーヘッドにはこだわっています。シャワーヘッドは,塩素を除去できる浄水機能のついたものを使っています。塩素を頭皮につけたくないからです。
・インスタント食品やファストフードなどの加工食品は,亜鉛の含有量が著しく低いだけでなく,亜鉛の吸収を妨げるリン酸塩という物質が多く含まれています。亜鉛は薄毛対策に重要なミネラルです。亜鉛含有量の多い食品をとることも大事ですが,その吸収を妨げる加工食品を避けることも,薄毛対策には必要です。
・シリカは,体内で生成できないばかりか,成人で1日あたり10〜40mgずつ消耗されていくことがわかっています。それを補うためにも,シリカを含む飲み物や食べ物を毎日とることが,毛髪力をよみがえらせるうえでの必要事項となってくるのです。
・緑茶に含まれるカテキンにも,強力な抗酸化作用があることがわかっています。日本各地を市町村ごとに細かくわけて長寿地域を探してみたところ,長寿地域の多くは緑茶を多く飲んでいる場所でした。緑茶のカテキンが活性酸素を抑え,老化を防いでいると考えられます。
・男性の場合は,男性ホルモンが薄毛の原因といわれますが,実際には男性ホルモンが頭皮にある5aリダクターゼと結びついた際に脱毛が起こります。よって,薄毛の改善には男性ホルモンの量よりも,5aリダクターゼを抑制できるよう,亜鉛を豊富に含む食材を積極的にとることのほうが,はるかに重要です。
・薄毛は腎虚の表れであり,若ハゲは若くして生殖器が衰えていることを示すというのが,東洋医学の考え方です。
・髪は「血」の一部分であり,血液に余裕があるほど豊富な状態が「血余」です。髪がフサフサしてつややかである人は,血液の流れもよく生命活動が活発であることを表しています。
・頭皮のコラーゲン生成をうながす良質のシリカ水を毎日飲む。

 以上である。私は,本書を読んでまず自宅のシャワーヘッドを交換した。水道水に含まれる塩素が,髪に悪影響を及ぼしているということは,本書を読んで初めて知った。もちろん,効果があるかどうかはわからないが,試してみる価値はあるだろう。それから,シリカ水についてもとても興味を持った。最近では,お茶やジュースを飲むのを避け,できるだけミネラルウォーターを飲むようにしている。ミネラルウォーターにも様々な種類があり,特にシリカ水が髪に良いということも本書で学んだ。また,水道水に含まれる塩素をできるだけ摂取しないようにするために,台所の水道にも浄水器を付けた。どれも即効性のあるものではないだろうが,少しでも改善されるなら意味があったと言えるだろう。また,髪と健康が密接に関わっているというのは,他の書籍を読んで知っていたが,特に亜鉛の摂取が大事であるということが本書では強調されていた。亜鉛を含んだ食材は,比較的私の好きな食べ物が多いので,これからも積極的に食べようと思った。本書は,薄毛についての本質的な改善策が提案されている良書である。
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2017年08月14日

コミュニティ・オブ・プラクティス Kindle版/Etienne Wenger (著), Richard McDermott (著), William M. Snyder (著), & 2 その他

 「実践コミュニティ」について勉強するために,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・プロセスがあらかじめ計画可能な仕事のやり方であるのに対し,実践は,一つのプロセスと次のプロセスの間で,人間が行う仕事を指している。このような状況依存の意思決定が必要な「実践」こそが,重要なナレッジ・ワークだというのが,その主張である。
・実践(プラクティ)は,知識を生み出す活動を意味する。定期的に集まるグループであっても,もし知識を相互に学び合い,高め合うような実践を共にしていなければ,それは単なる知り合いに過ぎない。
・われわれが実践コミュニティの立ち上げを支援してきた企業でも,組織をつなぐコーディネーターの想いや働きかけの強さが,組織の壁を越えられるかどうかの決め手となった。
・個人主義を促進する人事評価制度が加われば,だれも他人を助けたりしなくなる。
・企業が実践コミュニティに取り組むことにより,社員の間での「信頼関係」が回復されるのである。信頼がなければ,知識を他人に公開したり,時間を割いてまで教えたりしたくはないだろう。コミュニティの重要性は,知識を提供する上での心理的な障壁を取り去ることにある。同様に質問をする側の心理的障壁も取り去る必要がある。
・実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)とは,あるテーマに関する関心や問題,熱意などを共有し,その分野の知識や技能を,持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団である。
・知識戦略をこのような情報システムに賭けた企業はやがて,デジタルのガラクタ置き場を作ったに過ぎないことに気付いた。
・実践者がこのような専門的技術を向上させるためには,同じような状況に直面する人々と交流する機会が必要である。たとえば神経外科医は技術に磨きをかけるためなら,どんな遠方でも,仲間と一緒に手術台に立ちに行くだろう。
・たとえば何を科学的知識として認定するかは,どのような事実が重要でありどのような理論が有効かを,相互交流を行いながら明確にしていく,学術的コミュニティの特権なのだ。
・実践コミュニティは,必要な知識を生み出して共有する責任を,実践者自身に担わせることで,メンバーに対話の場を提供し,知識の生き物としての特性を維持することができるのである。
・組織という文脈の中でコミュニティを育成することは一種の芸術
・戦略を遂行できるかどうかは,一つには現場の最前線で活躍する有能な実践者を関与させることができるかどうかにかかっている。
・今日の遠隔会議では,モーリーンが,この製品を大手顧客のためにインストールした経験について話すことになっている。だがコンサルタントたちはいきなり本題に入るのではなく,まず10分ほどかけて,かれらの部署で最近行われた再編成について,それがいいことなのか,自分たちにとってどんな意味があるのか,といった雑談をする。
・実践コミュニティが最も繁栄するのは,組織の目標とニーズが,参加者の情熱や野心と交差する時だ。
・実践コミュニティの成功は個人の情熱に追うところが大きいため,参加を強制しても効果はない。
・優れたコミュニティでは,意見の不一致があっても強力な結びつきが損なわれることはなく,メンバーが対立を関係や学習を深める手段として利用することさえあるのだ。
・領域に関心があってコミュニティに加入した人は,コミュニティに感情移入するようになって,そのまま居続けることが多い。
・上手く設計された実践コミュニティでは,グループ討議に参加したり,一対一の会話をしたり,新しいアイデアに関する文献を読んだり,専門家が最先端の問題をめぐって対決するのを眺めたりすることができる。
・優れたコミュニティ設計を行うためには,知識を開発し世話する潜在能力がコミュニティにどれほどあるかを理解することが大事だ。メンバーがこの可能性を理解するためには,部外者(アウトサイダー)の視点を取り入れなくてはならない。
・成功するコミュニティは参加を強制するのではなく,傍観者のために「ベンチを作る」ことをしている。たとえばコミュニティ・ウェブサイトの非公開の会議室や,コミュニティのイベントや,一対一の会話を通じてセミ・プライベートな交流を図る機会を設けるなどして,周辺メンバーをつなぎとめておく。
・組織の重要な問題に関心を持つ人々が非公式な集団を形成し,これらの人々がネットワーク作りを始めることが多い。単なる緩やかなネットワークであれ,すでに実践コミュニティとしての自覚が芽生え始めているのであれ,この集団がコミュニティのコア・グループを形成し,率先してコミュニティをまとめていくのである。
・コミュニティは,最初からその可能性が決まっているのではなく,可能性に向かって発展していく。
・領域の中でも,企業にとって特に重要な問題に重点的に取り組むこと。
・ほとんどの領域には,「思考リーダー」と目される人が何人かいる。つまり領域の最先端の問題を明確に示すことのできる人,または非常に経験豊かで尊敬を集めている実践者だ。これらの思考リーダーを早くからコミュニティに関与させることができれば,コミュニティを正当化し,他の主要なメンバーを引きつけやすくなる
・競合情報(競合他社や業界の動きなど,競争環境に関する情報)を扱うあるグローバルなコミュニティでは,月例の遠隔会議を始める際に,各メンバーが自分のサイトの最大の技術問題について二分以内で述べる「チェックイン」と称されるしきたりがある。また終わりには必ずメンバーに会合の意義を評価させ,次回の会合を改善するためには何をすべきか考えさせている。
・コミュニティのメンバーがどんなに情熱にあふれて積極的であろうとも,コミュニティを取り巻く組織に溶け込む方法を見出さなければ,コミュニティの「活気」は大きく損なわれてしまう。
・コミュニティに焦点を当てれば,最終的には組織全体を変容させることになるのだ。
・実践を生み出すためには,組織の内部だけでなく外部にある専門知識の源泉をも活用する必要がある。たとえば会議やコンソーシアム,専門家のネットワークなどを通じて,他社の一流の実践者やコンサルタント,学者から学ぶなどだ。部外者の視点は,極めて価値あるアイデアの宝庫でもある。また社内の知識実践者は組織の外の見解に触れることで,自らの信頼性を高め,自身を深めることができる。
<第十章>
・コミュニティ組織化の手法は,自発的な推進活動を重視し,また場所や所有構造で規定される境界ではなく,実践を基にして体系付けられている。そのため,とりわけ市場や社会への適応に向いているのである。

 以上である。この本で私が最も注目して読んだのは,「どのようにしてコミュニティを形成するか」である。今の日本の企業や,良くも悪くもかなり組織化,効率化されていて無駄が少ない。それは,戦後から高度経済成長時代を経て,バブルが崩壊し,そこから経済が停滞したことと大きく関係しているように思われる。今までの日本人は,大きな変革を起こすことが苦手で,既存のものを改善したり手を加えたりすることが得意だった。だから,システムをより効率化する方法を常に研究してきた。しかし,その手法は現代ではますます通用しなくなっているように思われる。なぜなら,時代の変化のスピードが速すぎて,現在のシステムに多少の手を加える程度では,その変化に対応できないからだ。
 だから,今後の私たちは,常に時代の変化を意識しながら,それに対応させる方法を考えていかなければならない。そのような状況の中で,既存の組織が時代の変化に対応できていない場合,個々の人間は何をすべきか。それは,自分たちで考える集団,つまり「実践コミュニティ」を形成していくしかない。しかし,そのようなコミュニティは,非公式であるため,周囲との連携も必要になる。実践コミュニティは,周囲と連携しながら,外部と関わりを持ち,独自に発展していく必要がある。そして,最終的にはその企業そのものさえも変える存在になりうるものだ。時代に対応した企業をつくるということは,本質的にそのようなことであるように思われる。社長自らがトップダウンで運営する企業もあるだろうが,そのような企業には永続性が見込めない。社員自らが,考え行動することで大きな流れを作ることが,企業が存在し続けられる唯一の方法であるように思われる。本書は,その具体的な方法論が述べられて,とても勉強になった。
 なお,私は本書をKindle で購入し,iPad のアプリを使って読了した。結論から言うと,本書のデジタルデータは,酷いものであった。最大の問題点は,第六章の次が第八章になっている点。また,第十章の次が第七章になっている。この時点で,書籍としてはアウトである。さらに問題なのは,ページが記載されていない点。だから,どのページを参照したかが人に伝えられない。アプリでは,6706ページと書かれているが,そんなわけがないだろう。無茶苦茶だ。しかも,漢字に振られているルビも無茶苦茶だ。「舞い」は「ンスダ」,「推進力」は「ライバド」,「知識銀行」は「ッジ・バンク」など,いい加減にしろというレベル。さらに,Kindle のアプリ自体も使いにくい。まず,ページめくりの反応が悪い。何度フリックしてもページがめくれないときがある。さらに,マーカーを引くときの反応も悪い。自分のマーカーしたい場所からラインが引けない。Apple Pencil を使ったら多少はマシになるが,それでは本質的な解決になっていない。このレベルで,電子書籍を勧める資格はアマゾンにはない。はっきり言えば,hontoアプリの方がよっぽど使いやすい。Kindle アプリの相当の改善をお願いしたい。
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2017年07月17日

歯は磨かないでください 歯周病を治すと、全身が健康になる/豊山 とえ子 (著), 近藤隆一 (監修)

 40代になり,かなり歯のケアについて気にかけるようになった。最近でも,立て続けに歯がもげて,自分の歯をかなり心配している。やはり,甘いものを食べすぎているのかもしれない。そのようなこともあり,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・疲れているときには代謝が落ちているので,出るべきものが出ません。つまり唾液の量が減るのです。唾液が減ると,本来常に唾液に洗い流されて清潔に保たれているべき口の中が乾燥し,細菌が繁殖します。
・ご自宅で塚区歯磨き粉をホワイトニング剤含有のものに変えるのも手軽にできる方法です。「クレスト 3Dホワイト グラマラスホワイト」などがあります。
・水がしみるという知覚過敏の症状は,歯が欠けて起こる場合もありますが,年齢や歯周病の悪化で歯肉が退縮してきて,歯の根の部分が露出してくることによって起こる場合もあります。
・虫歯菌は砂糖が大好きです。また,砂糖を食べると体の免疫力が下がります。砂糖を分解するのにカルシウムが必要になります。もともと体には天然のカルシウムがありませんので,仕方なく,体の骨や細胞のカルシウムを消費せざるを得なくなります。すると骨粗鬆症につながります。
・いろいろ種類はありますが,なんといっても,日本の歯科医が選ぶナンバーワンブランドである「ソニッケアー」(フィリップス)と,「オーラルB」(ブラウン)が圧倒的な効果を誇っています。
・私がおすすめしているのは,「アパガードリナメル」という歯磨剤です。50g1000円前後ですが,ナノ粒子のハイドロキシアパタイト(HA)が配合されています。歯を研磨するのではなく,微細な凸凹をナノ粒子のHAが埋め,輝く美しい歯をつくります。汚れを「つきにくくする」ので,予防に力を入れている歯科で特におすすめしている歯磨剤のひとつです。
・日本の健康保険制度の中で許可されてりう金属は最低保証だということを知っておいてほしいです。一般的に保険制度の中で認められている銀色の金属は,金銀パラジウムの合金です。これは,歯の硬さよりもかなり硬い金属なので,噛み合わせたときの影響を考えてしまいます。一部を削って,これを詰めた場合に,噛むたびに歯の生きている部分と金属の間に多少のたわみができるのです。ですから,接着面から新たな虫歯ができることも多いのです。汚れがつきやすい金属なので,治療から2〜3年目で悪くなることも多いです。

 以上である。とにかく,歯に関しては,自分の体の一部なので,そのケアはこれからも引き続きしっかりと行いたい。幸い,経済的には問題ない生活ができているので,この本で勧められていた「アパガードリナメル」という歯磨剤の購入を検討したい。また,個人的には歯の定期検診には,少し疑問を持っている。定期検診では,小さな虫歯も治療され,歯を削られる。だから,定期検診をするたびに,歯が削られるのだ。そうなると,いずれは神経を取られたり,最悪,抜歯というということになる。私の場合は,親知らずの歯は,4つとも健在なのだが,歯科医では虫歯の治療をする度に,親知らずの抜歯を勧められる。普段の生活にまったく問題なのに,なぜ親知らずを抜歯しなければならないのか,全然意味がわからない。むしろ,1本でも多くの歯を残すことこそが,歯科医の使命ではないのか。そう思わずにはいられない。そういう意味では,すぐに歯を削ったり,神経を取ったりする歯医者には,怒りさえ覚える。本書のような本を多くの人が読んで,日本人の葉の健康に対する意識が高まることを強く望む。
posted by J-HASE at 03:53| Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戦略は歴史から学べ―――3000年が教える勝者の絶対ルール/鈴木 博毅

 過去の歴史から,現代のビジネス戦略を考察するという本。もともと世界史に興味があり,それをビジネスとどのように関連させるのかということにも興味を持った。私が参考になった点は,次の通りである。
・世界長者番付で13年連続の1位だったビル・ゲイツ氏は,高校時代から当時普及し始めたコンピューターにのめり込み,ハーバード在学中に友人のアレンと大手企業にプログラムを売り込むも,最初は上手くいきませんでした。しかし1974年に新発売のコンピューター「アルテア」が雑誌に掲載されるのを見て,二人は衝撃を受けます。
・アメリカのタイメックスは腕時計業界に進出するとき,高級で知られるスイス製腕時計が並ぶ宝飾品店に出品せず,スーパーマーケットなどの店頭で販売し低価格腕時計の新たな市場を生み出しています。
・「考えるばかりで始めない」姿勢は,試験運用をすぐ開始して試行錯誤から始める側からすれば,好機をつかめない”のろまな亀”となってしまうのです。
・1920年代の日本は,第一次世界大戦の戦時バブルが崩壊。日露戦争の膨大な戦債の支払いで困窮していた市民生活は,一時持ち直すも慢性的な不況に苦しみます。1931年に日本の関東軍が満州事変を起こして,日本は満州国を建設。日本のシベリア出兵などで警戒感を強めていたアメリカなどの列強の避難を浴び,1933年には国際連盟を脱退。長引く不況,軍部の台頭,国際社会での孤立の三つの難題を抱えます。
・1941年7月,日本軍はフランス領インドシナ南部に進駐を開始。アメリカはフィリピンを植民地としており,この進出は許容できず日本への石油の全面輸出禁止を発動。この措置に驚いたのが日本海軍です。石油備蓄はわずか一年しかなく,備蓄が尽きたときにアメリカから戦争を仕掛けられることを怖れて早期開戦論が浮上します。日本政府は開戦を避けるためアメリカと交渉を続けましたが,日本軍がインドシナ南部の撤兵を一貫して拒否したため,11月26日には日本側が受け入れにくい条件のハル・ノートが提示され,数日後には外交交渉も打ち切られます。1941年12月8日,日本軍は真珠湾を攻撃。この報告でイギリスのチャーチルは戦争の勝利を確信します。日本がアメリカに宣戦布告したため,同盟国の独伊もほぼ自動的にアメリカに宣戦布告。この結果,アメリカは欧州戦線に連合国側で参戦を開始します。
・1945年4月30日,ヒトラーはベルリンの司令部地下壕で自殺。二日前にイタリアのムッソリーニが逃亡中に射殺され,8月6日には広島に,8月9日には長崎に原子爆弾が投下されて第二次世界大戦は終了します。
・1945年6月に日本軍の沖縄での組織的な抵抗が消滅。8月上旬には広島,長崎で原爆が炸裂。ソ連が日本に宣戦布告し,150万人が満州,4万人が北朝鮮に攻め込みます。
・38度線の南をアメリカ,北をソ連が日本軍の武装解除を担当する案をソ連側も了承。当初38度線に障害物などはなく,米ソの兵士が一緒に食事をしたり,トランプをする光景も見られましたが,当地方針の違いが次第に明確になり,半島内も政治勢力の対立が激化。米国はソ連の反対を押し切って朝鮮独立問題を国連に提訴します。1948年5月に南朝鮮の選挙で李承晩を大統領とsる大韓民国が成立。北朝鮮も8月に選挙を行い,金日成を首相とする朝鮮民主主義人民共和国の樹立を宣言。ソ連は同年10月に撤退を開始,米軍も軍事顧問以外は翌年6月に撤兵を完了します。

 以上である。この本の特徴としては,古代の戦いから始まり,中国,戦国時代,そして植民地戦争,近代の戦争へと歴史の話が推移している。前半の古代の戦いについては,資料が少ないせいか説明がわかりにくく,しかも無理やり現代のビジネスと関連付けしている感が否めない。しかし,それに対して近代の戦争については,資料内容も豊富で単純に歴史を知るというだけでも十分に価値がある。また,ビジネスへの関連付けも説得力のあるものが多かった。以上から,単純に歴史を知るというだけでも,十分楽しめる本だといえる。
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2017年05月07日

最後に読む育毛の本/久田 篤, 佐野 正弥

 年齢とともに,髪の毛も少しずつ少なくなってきたように感じている。何か改善策はないかと,本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・髪が存在する理由,それは暑さや寒さから頭皮を守るためです。身体の体温は,そのほとんど(約80%)が頭部から放出されます。つまり体温は,髪が薄いと,より早く身体から奪われていきます。
・身体の糖化を避けるためには,徹底的に糖質をカットするのではなく,必要最低限の糖質は摂ること。そのうえで不要な糖質はなるべく意識して摂らないようにする。これだけで薄毛を招きやすい原因の体質から抜け出すことができるということです。
。育毛には歯の手入れも欠かせないのです。
・見かけが脂ぎるほど出る皮脂は,完全に食生活の乱れやストレスが原因です。身体に毒素がたまった状態といっても間違いないでしょう。
・ミノキシジルは日本では大正製薬の「リアップ」が日本で唯一のミノキシジル成分の発毛剤として認可されていますが,まず濃度1%タイプは効果があるとは思えません。ミノキシジルは個人輸入により「ロゲイン」等の育毛剤が手軽にしかも比較的安価で購入できます。
・ラウレス硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸アンモニウム,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩,スルホン酸ナトリウム,これらの成分は,育毛に携わる人たちは絶対に使いません。食器洗剤や洗濯洗剤,ボディーソープで,毎日髪や頭皮を洗っているようなものだからです。
・スキンヘッドにした方は実感しているかもしれませんが,スキンヘッドにすると毛穴が閉じてしまいます。なぜなら髪を剃るからで,その毛穴が何万も一斉に閉じてしまうのだから,頭皮は突っ張ってしまうのです。毛穴が閉じることは,それくらいに大きな影響があるのです。安易な考えてスキンヘッドにはしないほうがいいと思います。
・生活習慣が乱れてくると,身体は栄養分を生命維持に必要な器官だけ優先的に回そうとします。そして栄養分が回らない頭皮下の血管は徐々に縮小していくのです。それが続くと最終的には血管の道が閉ざされ,他の迂回ルートをつくってしまうというわけなのです。
・水以外は身体の浄化ができません。水以外の清涼飲料水は飲まない(お茶,砂糖無しコーヒー,紅茶はOK。ただし水の代わりとしてはカウントしません)。
・スナック菓子,甘いデザート,菓子パン等は身体の害にしかならないのでキッパリ忘れてください。パンケーキ,ラーメンライスなども,炭水化物過多のため,育毛の体質改善にはマイナスです。
・肉には尿素や尿酸を初めとした刺激成分が含まれます。また家畜の屠殺で,家畜が出したアドレナリンが残存するケースも珍しくありません。肉を食べると精がつく,と考えるのは,残留アドレナリンを吸収するため,一時的に高揚した状態になるだけなのです。
・薄毛人口率の高い国は,ファーストフードを始めとした便利食が多い先進国に共通しているという点でしょう。安いファーストフードのハンバーガーなどは,塩分やうま味を感じさせるための化合物がてんこ盛りで,安価な肉が原料となっています。

 以上である。本書は育毛に関する書籍ではあるが,毛髪というのが,身体の健康のバロメーターであるということがよくわかった。そして,薄毛というのは,育毛剤を頭皮に振りかければ解決するなどという単純な問題ではなく,運動や食生活などを根本的に見直す必要があることを,本書は強く訴えている。私自身,本書を読んで大いに反省した。運動は,ランニングや筋トレなど,定期的に行っている。しかし,逆にそれで安心してしまい,食事がルーズになってしまっていた。特に,スナック菓子や甘いものなどを,自分の気分のままに購入しバグバク食べていた。これは本当にいけなかったと,猛省している。そして,それ以外で参考になったのは,飲み物についてである。清涼飲料水は,砂糖が多量に含まれていることは知っていた。しかし,お茶や紅茶も身体の浄化に適さないという記述には,確かに納得させられた。市販の飲み物は,結局のところ,何が入っているのかわからない。余計な添加物が入っている可能性は,昨今ではとても高い。そういう意味では,毒素を極力体内に取り込まないためにも,その辺りはもっとストイックになっても良いのかと今は考えている。また,強力な育毛剤や薬は,副作用があることを忘れてはいけない。安易に高価な育毛剤に手を出すと,それはそれで別の問題が発生する可能性が高い。結局のところ,薄毛の原因はまだはっきりとわかっていない。だからこそ,食事なり,運動なりで健康管理をしっかりとしなければいけないのだ。そういう意味では,薄毛は身体の健康状態が良くないことを示しているサインなのだから,それを契機して,むしろ,今まで以上に健康管理に気をつけるというのが,正しい振る舞いなのではないかと考える。
 以上より,本書は著者の経験や研究をもとに,薄毛に悩んでいる人たちのことを真摯に考えた良書と言える。しかし,これが解決策という答えは本書にはない。むしろ,その解決策は,個々人の健康管理の問題が一因である。本書は,それを丁寧に解説してくれている。
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2017年04月24日

新富裕層の研究――日本経済を変える新たな仕組み/加谷 珪一

 富裕層という言葉は,よく耳にするが,変化の激しい今の時代の中でその意味は大きく変わりつつある。それ自体は認識しているが,その具体的なものは何なのか,自分では全然理解できていなかった。それを理解するために本書を購入した。実際,現在起こっていることが詳細に書かれていて,大変勉強になった。私が参考になった点は,次の通りである。
・愛媛県松山市に本拠をかまえるエイトワンの創業者・大藪崇氏は,市内の道後温泉の宿泊施設の立て直しを皮切りに,今治タオルのショップや愛媛ミカンの販売など,地元・愛媛にこだわった事業を多数展開しています。地域密着型の実業家は珍しくありませんが,大藪氏の場合,事業の元手になった資金はすべて,彼がニート時代に株式投資で作ったという点で,非常に特徴的です。
・米アマゾンは,アプリを使って個人に荷物の配送を依頼するシステムを開発中と言われています。このシステムに登録した個人は,自分が移動する予定の地域に配送予定の商品が存在した場合,宅配業者の代わりにその商品を顧客に届け,配送料をもらうことができる仕組みです。
・日本人の平均年収は300万円台ですから,極論すると,平均的な日本人はほとんど所得税を納めていないことになります(あくまで所得税についてです。実際には地方税などがこれに加わりますので,無税ではありません)。いっぽう,年収が1,500万円を超えると所得税率は急激に上昇し,2,500万円超の人は34%もの税率となってしまいます。所得税について言えば,全体の4%にすぎない高所得者が,税金の半分を納めている計算になります。
・日本のGDPは過去20年間,ほぼ横ばいが続いています。日本にいるとあまりピンときませんが,同じ時期に諸外国のGDPは大幅に拡大しています。米国のGDPは約2.4倍に,フランスはドル換算で約2倍,ドイツも約1.8倍になりました。新興国もすべてを平均すると約2倍になります。つまり,日本は過去20年間に,相対的な経済規模が3分の2から半分に落ち込んでしまったわけです。
・株価がEPS(1株あたりの当期利益)の何倍なのかを示した指標のことを株式投資の世界では「PER(パー)」と呼びます。
・医師やパイロットを例に取り上げましたが,賃金が高く,ロボット化のコスト負担に耐えられる職種は,実はロボットや人工知能との親和性が高い可能性があるわけです。
・日本におけるGDPの大きさは,おおよそ500兆円です。このうち,もっとも大きな割合を占めるのが個人消費で,全体の約6割,金額にして300兆円ほどあります。個人消費の割合は豊かな先進国ほど高くなる傾向があり,米国は7割に達しています。いっぽう,途上国である中国は4割り程度しかありません。
・ラリー・ペイジ氏は,近い将来,人間は忙しく働く必要がなくなると主張しています。ペイジ氏は「私たちが幸せに生活するための資源は,それほど多くない。今の1%程度あれば十分であり,不必要な活動が,過剰な忙しさや環境破壊の原因になっている」と述べており,人工知能やロボット化が進めば,人間は今よりもずっと余裕を持って生活するようになるとの見解を示しています。いっぽう,もう1人のセルゲイ・ブリン氏は,まったく正反対の主張をしています。人間には限りない欲求があり,時間に余裕ができても,人々はそれ以上の娯楽を求めるため,労働力に対するニーズは変わらないとの立場です。
・日本における労働生産性は,OECD加盟34ヵ国中21位と低く,先進7ヵ国では最低です。労働生産性とは,労働によって生み出された付加価値を人数や労働時間で割ったものです。生産性が低いということは,儲からない事業を行っているか,労働が過大であるかのどちらか,あるいはその両方です。
・10年後の社会では,一般的なビジネスマンと起業家の境界線はきわめて曖昧になっているでしょう。会社の従業員としてプロジェクト管理の仕事をしながら,いっぽうでは外部リソースを使ってネット上で事業を運営するような人が出てきてもおかしくありません。実業家まではいかなくても,会社の仕事とは別に自身の特技を生かし,プライベートな時間には,クラウド・ソーシング経由で仕事を請け負うケースも珍しくなくなるでしょう。
・富裕層と呼べるのは純金融資産が1億円からです。その理由は,1億円の金融資産があれば,働かなくても,日本人の平均年収を稼ぐことができるからです。

 以上である。個人的には,著者が述べている未来像は,概ね正しいと感じる。10年後もやはり富裕層が存在し,多くの税金を納め,国を支えていることだろう。そして,大多数の自分のことしか考えない労働者は,どんなにテクノロジーが進化しても,AIが台頭してきても,時代の流れに翻弄され,一生を終えることだろう。しかし,今との大きな違いは,その選択が,その人自身に委ねられるという点だ。主体的に生きるか,それとも受動的に生かされるか。その選択は,その人自身の脳ミソが決める。グーグルの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの二人の話が印象的だ。人は,どこかで満足の到達点に達する生き物なのか,それとも,飽くなき欲求を満たすために,さらなる可能性を追い求める生き物なのか。著者は後者だろうと予測する。私も後者だと感じている。才能のある人も,才能のない人も,その人が持つ欲望の大きさはほとんど変わらないからだ。才能がないからといって,欲望がないとはいえない。いや,むしろ才能のない人のほうが欲求不満だったりする。自己顕示欲,優越感,満足感,自己陶酔感,そういう人間として心地よいものを人間は死ぬまで追い求める。そして,そのためにこの世界が存在しているとも言える。そういう意味では,「進歩」や「進化」は,ただのプロセスでしかないのだ。
 つまり,10年後も,20年後も根本的な人間の「在り方」は,変わらない。人間が,その本質を変えない限り。その存在理由を変えない限り。
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2017年04月23日

ポスト・アベノミクス時代の新しいお金の増やし方/加谷 珪一

 株式投資を始めて数年が経過したが,投資手法が形式化してしまって,新しい挑戦を何も行っていない。そのため,何か自分の投資手法にブレイクスルーする方法はないかと本書を購入した。私が参考になった点は,次の通りである。
・安倍首相は2016年6月1日,2017年4月に予定されていた消費税10%への増税を,2019年10月まで2年半延期すると発表しました。消費税10%への増税延期はこれで2度目となります。
・人口減少社会においては,人々が近い地域に集まって暮らしたほうが,コストが安く効率的です。北海道は札幌に,東北は仙台に,九州は福岡に拠点集約されるというのが自然な流れでしょう。東京も1つの地方と考えれば,周辺地域から都心に人が集まってくることになります。
・米国はもともと孤立主義で,外国に高い関心を寄せる国ではありませんでしたが(モンロー主義=欧米相互不感症を唱えた第5代大統領モンローにちなむ),エネルギー自給がその傾向を加速させているようです。誰が大統領になるにせよ,こうした「引きこもり」的な感覚は,ますます顕著になりそうです。貿易も保護主義的になりますから,日本の輸出産業にとっては逆風となるかもしれません。
・過度に円安が進んだ場合,インフレが一気に進行しますから,実質的な債務は削減されます。つまり,インフレによって預金者から事実上,税金を徴収し,財政の穴埋めが行われるわけです。
・30歳の男性が60歳までに死亡する確率は7%です。また,40歳の男性が1年以内に死亡する確率はわずか0.1%,50歳になっても0.3%です。意外と低いというのが,多くの人の印象ではないでしょうか。病気については,日本の場合,国民皆保険制度が完備されていますから,保険料の滞納がない限りは,原則3割の自己負担で医者にかかることができます。重篤な病気の場合には,高額療養費製による補助もありますから,最終的にはさらに低い自己負担で治療することができるでしょう。
・かつてネットの黎明期には,ネットは既存の媒体から切り離されているので,新しい言論空間が形成されるのではないかと期待する声もありました。しかし現実にはそうはならず,ネットでもオールドメディアでも,同じ情報源によるニュースが流れるという状況になっています。
・ニュースの情報源がネット時代になっても大きく変わらず,特定のマスメディアが寡占的にニュースを提供しているということになると,メディアで流れる情報の質も基本的にあまり変化がないということが想像できます。実際,日本のメディアで流されるニュースは,今も昔もマス向けのものが中心であり,ニッチな情報は取り上げられないという特徴が顕著です。このような情報環境の場合,メディアにおける論調は,総じて予定調和的になりがちです。
・エコノミストやアナリストは,金融機関に所属していることがほとんどですから,基本的に勤務する金融機関の利益に沿った発言を行います。ただ外資系の金融機関は人材の出入りが激しいですから,学者や言論人への転身を狙って,知名度を上げることを最優先する人もいます。
・債券は一般的なレベルの投資家が購入することをあまり想定していません。流動性も低く,いざという時に換金しにくいですから,避けたほうがよいでしょう。それよりも,日本と海外の安定的な主力企業に分散投資する形にしておくことが,ポートフォリオとしては最適です。

 以上である。本書を読んで感じるのは,やはり世の中の変化に対して敏感でなければならないということだ。消費増税延期,人口減少社会,アメリカの保護主義,ネットによる情報社会,そして,投資。それらのものが渾然一体となって,社会は動いている。それらすべてに注意を払いながら,これからを生きていかなければならない。そして,それはある種の自己防衛とも言えるかもしれない。これからの時代は,これまでの流れに従って,他の人々と同様に動いていくよりも,自分自身で考え行動した人の方が成功する。それは,紛れもない真実だ。そのためには,日々学び,考え,自分自身にとっての最適解を探し求めるしかない。コンピュータが発達して,情報化社会になって,世の中がどんなに便利になっても,生きる難しさは,昔と何も変わっていない。私たちが試行錯誤して,その結果新しい時代が切り開かれることも,また同じだ。人間らしさというのは,まさにそこに存在するのだろう。
posted by J-HASE at 23:45| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月12日

実践版 三国志 ― 曹操・劉備・孫権、諸葛孔明……最強の人生戦略書に学ぶ/鈴木 博毅

 三国志の物語は,子供の頃から何度も見たり,聞いたりしているが,それが人生戦略書として解説されている。この本を読むと,三国志の歴史の理解が深まると同時に,各登場人物の考え方や戦略が理解できる。私が参考になったのは,次の通りである。
・のちに天下三分の計を発案したことで名高い諸葛孔明。彼はもともと現在の山東省(北京の南方)で181年に生まれます。父は幼い頃(孔明が6歳前後)に死去,叔父の諸葛玄に弟と共に育てられます。しかしその叔父も,孔明が16歳前後の時に死去。
・次の数年,どんなニーズ(力)が社会を支配するのか。次の数年,どんな技術(力)がビジネスを有利に導くのか。その答えを見つけて積極的に力と融合し,新時代の道を切り拓くべきなのです。
・のちに典韋という武人が曹操を守って壮絶な戦死をしたとき,曹操は涙を流します。彼の墓をつくり,曹操は丁寧に弔ったのです。人はその価値を認めてくれる人のために全力を尽くすと言われます。
・兄弟ゲンカで会社を分割した有名な例はダスラー兄弟でしょう。仲良く靴工場を経営していた兄弟は仲違いして,弟アドルフはアディダスを設立。兄のルドルフはプーマを設立して今日に至ります。
・勇気を持ち飛び込む者がいれば,尻込みする者の間抜けさは引き立ちます。別の表現をするなら,人が尻込みをする場面は,飛び込む者には絶好の機会なのです。
・感想で喉がカラカラになる砂漠では,誰もが水を渇望します。そこで自らの水を周囲に分け与える人は,多くの人の心を得るでしょう。地位や肩書を得たいと望み続けて手にした者は,途端にそれがない者を見下します。地位を得ても相手に劣等感を与えない者は,さらに多くの者から応援を得るでしょう。
・読者の皆さんにも,得意な分野が一つならずあることでしょう。しかし,得意と考えている分野ゆえにもっと優れた者を探さないことがあるのです。それが自らの誇りとするものであれば,なおさら修正は難しいものです。劉備の不遇時代は,トップ一人がすべてを兼任できないという現実も示しています。もし彼が,そのまま自分に疑いを持たずに過ごしたらどうなったか?赤壁の戦いは起こらず,三国志の時代は到来しなかったかもしれません。諸葛孔明を三顧の礼で迎えなければ,三国鼎立の策は世に出なかったからです。
。リーダーとは外界の翻訳者だとはよく言われます。集団に,トップが現状を定義して説明することが必要だからです。今,自分たちがどんな状態に置かれて何が求められているのか。何を打破する必要があるか,どんな戦いをすれば栄光と勝利が手に入るか。孫権の言葉には,翻訳者としての自らの手腕に自信が見てとれます。危機を前に,敵の姿を明確に説明できるなら,集団の力を倍加できます。このようなことができるリーダーは,危機さえチャンスに変えてしまうのです。
・本当に優れた者は,時間が経つに従い鋭利な刃物のように洗練されていきます。一方で,なまくらの刀は時間と共に切れ味が落ち,すぐに錆びついてしまうのです。
・ビジネスの重要な契約,履行の約束にも絶対はありません。安易な思い込みが想定外のトラブルにつながることはよくあります。
・組織に所属するとき,個人は強みを武器にできる。人生全体としては,弱みこそが勝敗を分ける。
・英雄たちを見ると,父が苦労した時期,実践で戦い抜いていた時期から一緒に従軍していた世代は,たいてい質実剛健に育っています。しかし成功を収めたあとしか見ていない世代は違います。知識偏重で華美を好み,浪費を気にかけない者に育つ傾向があるのです。
・機会を前に,あなた自身が立たなければ,機会とともに他の誰かに制せられるのです。機会は,あなたが手にしなければ他の誰かがそれを活かします。素敵な異性がいて,あなたが交際を申し込まねば,別の誰かがその人を恋人にします。時節や機会は一瞬です,まばたきほどの時間しかないこともあります。それを手にする勇気こそ,すべての英雄にもっとも共通する貴重な資質なのです。
・人間は誰しも自分が優先するものがあり,それに応じて決断しているということです。過去に,別れた人がいたならば,その人より優先する何かが私たちにあったのです。離れた会社,友人,場所,それらよりも優先したいものが必ず皆さんにあったのです。
・皆さんが今の人生を最高に気に入っているならば,何も変える必要はありません。しかし,必ずしも満足のいく日々でない場合,優先順位を変えることが必要です。
・英雄たちは,一度しかない生涯を全力で疾走して,歴史に足跡を残しました。その姿は,私たちの人生もまた,全力を賭けるに値するものだと教えてくれるのです。
・人は外見と中身が一致しないことも多い。そのため次の八つの方法で確認をする。質問をして返答を聞く,問い詰めたときの対応を見る,スパイを使い裏切りを誘う,ずけずけ訊ねる,金を管理させてみる,異性を近づける,困難な仕事を与える,酒を飲ませて酔い方を観察すること。

 以上である。個人的に,最も参考になったのは,「組織に所属するとき,個人は強みを武器にできる。人生全体としては,弱みこそが勝敗を分ける」だ。これはとても納得できた。いつも表裏のない自分というものを客観的に想定していたが,確かに組織における自分と個としての自分では,有効な技術というのは違っている。組織の中では,他人よりも優れた能力を要求され,それを発揮することで評価される。しかし,個においては,自分の短所や欠点が周囲から注目され,それが個の評価に大きく影響を与える。だから,自分自身の戦略としては,組織の中で能力を発揮し,さらに個においては,弱点を補強するということが重要なのだ。これは,とても重要な視点だと実感した。本書は,三国志の物語を解説しながら,ビジネスの考え方を伝えている。ビジネスに関する内容だけでも,十分説得力のある文章になっているが,それに三国志の登場人物および彼らが取った行動を例示して説明しているので,さらに説得力が増している。
 本書を読んで,ビジネスの考え方が学べただけでなく,三国志という物語自体にとても興味を持つことができた。
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2017年02月11日

株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識/加谷 珪一

 楽天証券で株取引を初めて,3年近くが過ぎた。さらなる自分のスキルアップのために,本書を購入した。私が参考になった点は,次のとおりである。
・プロの投資家最大の弱点は,どんな時でも投資を続けなければならないという点にある。投資信託はいつでも購入や解約ができる商品である。このため,いついかなる時でも,ファンドマネージャーは同じように運用を続けなければならない。「相場の調子がよくないのでしばらく休みます」とは言えないのだ。
・筆者は,ファンダメンタル分析で対象銘柄を絞り込んだ後,買うタイミングを判断する場面においてテクニカル分析を活用するのがよいと考えている。テクニカル分析手法を使えば,その銘柄が,投資家の心理として,買われすぎなのか,売られ過ぎなのか把握できる。
・各国が行っている経済対策は,いかにたくさんモノを作らせ,いかにたくさん消費させるかという2点について働きかけているにすぎない。GDPが大きくなれば,企業の売上げや利益も大きくなり,株価も上昇していくという単純な仕組みだ。
・現在の経済環境において,物価やGDPの横ばいが続くのは,尋常ではない。同じ期間,諸外国がGDPを2倍から3倍に拡大させていることを考えると,日本の特殊さがよくわかる。
・アベノミクスがスタートして以降,経済は順調に回復していると思われているが,GDPの中身を精査してみると,個人消費はあまり伸びていないことがわかる。むしろ,公共事業を中心に公的支出の伸びが多くなっており,政府支出に大きく依存した成長だとわかる。
・金利は今後の物価予想であり,言い換えれば,経済成長予測なのである。具体的に言うと,長期金利は,最終的にその国の名目GDPの成長率に収れんする。もし長期金利が5%になっていれば,その国の名目GDPは5%で成長することが予想されていることになり,株価は何もしなくても5%かそれ以上の上昇が見込めるという解釈が成立する。機関投資家などのプロの投資家は,株式投資を行うにあたって,株価と同じくらい金利の動向に注意を払っている。それは,長期金利の数字に将来の経済成長や株価の動向が色濃く反映されるからである。
・PERは今の利益が何年続くのかを示していることになり,PBRは,これまでの利益の蓄積に対して市場がどう評価しているのかを示していることになる。つまりPBRは純粋な会社の資産価値に対するプレミアムと考えればよい。

 以上である。私の株取引は,単純に現物取引で,下がったら買い,上がったら売るという単純なものである。手法としては,まず自分の気に入った銘柄を探す。銘柄は,自分の実生活に関わる銘柄が多い。そして,テクニカル分析で株価の動きを予想して,安いときに買い,高いときに売るという手法である。企業の財務やビジネス・モデル,市場環境などから,対象企業を定量的に分析するファンダメンタル分析は,ほとんど行っていない。それに近いことは,自分の実生活でこの企業は将来有望であると感じた銘柄を買っているということだろうか。渡しの場合は,応援したい企業に株式投資をしているという感覚が強く,その企業の株を購入することで,その企業を応援することを目的としている。また,配当金や優待なども受けられるメリットもある。しかし,現状のままでは,素人の株取引に毛が生えた程度だ。例えば,株式投資だけで生活するなどというのは,まったく不可能だ。そのために,企業分析の方法なども,より詳しく知る必要があった。だから,PERやPBRの説明は,とても役に立った。さらに,現状の日本の個人消費がまったく上昇していない点,日本のGDPの成長がこの25年間ほとんど見られない点など,諸外国と比べた日本の特殊性もよく理解できた。
 以上より,書いてある内容は,そこまで専門的ではないが,その分株式投資初心者には,とてもわかりやすい内容になっている。
posted by J-HASE at 22:43| Comment(0) | 金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする