私が参考になった点は,次の通りである。
・会社は社長が替わらなければ,絶対に変わらない。しかし,社長を変えることはできない。社長は今のやり方が好きで,それがいいと思ってやっている。何で社員にそんなことを言われなきゃならないのだ,というのがまずある。その考え方をあなたが変えるのは,地球を反対に回すくらい大変だ,
・もしあなたが,「社長がダメで」とか「上司のレベルが低い」とか,「周りがやる気がないヤツばっかり」,とこぼしているとしたら,かなり高い確率であなたも同じようなレベルであると疑ったほうがよい。
・商売というのは,モノやサービスを通じて顧客と直に接する経験をすることで,自分の足りない部分に気づき,必要なスキルや知識を身につけるきっかけを作ることができる。
・うまく稼げる人は,どんな相手とも絶対にケンカ別れをしないものである。理由のひとつは,将来的にいつどこで会うかわからないからである。
・もうこの人とは付き合えない,そう思ったときは,すべてを相手にあげてしまう。自分が折れてそれ以上付き合わないようにするのである。
・稼いでいる人はあきらめがいい。常に自分は足りないと思っている。自分の過去と比較したら,それは足りているのだけれど,目標と比較したら絶対に足りない。永遠に足りない。なぜなら,目標は達成したらすぐに次の高い目標が設定されるからである。
・医療費の負担が大変だという意見もあるが,一定限度額を超えた高額医療費は健康保険から戻してもられる。自己負担の限度額は,一ヶ月間の医療費の合計金額,年齢,収入の三つによって決まる。たとえば,年収六〇〇万円の四〇歳男性が,一ヶ月間に一〇〇万円の医療費を自己負担として支払ったとしても,九〇万円弱が払い戻される。このように,我が国の健康保険制度は非常に手厚く,治る病気であればお金自体に起因する不安に対して,過度に気にかける対して,過度に気にかける必要はないといえる。
・高収入を得ている人のお金の使い方のポリシーとして,モノやサービスの価格云々よりも,そこから生まれる「機会」を重視してお金を使っている印象を受けることが多い。
・仮に一〇〇万円の投資信託を買うとしよう。手数料一%で,信託報酬一・五%だと,初年度は,一・五%,合計二万五〇〇〇円の手数料だ。一方,自分で選んだ株式やETF(証券取引所で買える投資信託)を買うなら,手数料は五〇〇円から一〇〇〇円程度で,率にして◯・◯五%から◯・一%である。しかも,買ったあとには一円も払う必要がない。
・希望は自分で探す以外にない。希望はあると思えばあるし,ないと思えばないのである。希望があると思う人生のほうが楽しいはずだ。
以上である。この本の素晴らしいところは,お金を稼ぐためのテクニックをとやかく言っているのではなく,お金を稼ぐ人はどうあるべきかという著者の経験と知恵が語られている点である。そのような非科学的な意見は,場合によっては人を説得したり納得させることはできないかもしれない。しかし,それが著者の経験に基づいているからこそ,数式化できない思考や観念が存在すると私は考える。そして,読者である私達にも,そのような人間としての魂(あるいは意識)のようなものが存在するのであれば,著者が言わんとしていることは理解できるはずである。
そして,少なくとも私自身は,著者が伝えようとしていることの片鱗は理解できる。だから,山崎氏の本は,とても有難いと感じている。

